鹿児島X線撮影研究会は、この度第10回を迎え、第9回鹿児島X線撮影研究会を、平成30年8月25日(土)14:30から18:00まで、ベイサイド錦江 3階大会議室にて開催しました。
今回は、特別講演と10回記念企画として「撮影補助具」に関する内容で開催致しました。
特別講演は、今村総合病院 スポーツ整形外科部長の福島佳織先生に「スポーツ整形外科領域における画像診断の重要性」という演題で講演頂きました。各部位の撮影について、症例と共にどのような撮影を行い、その画像を基に診断を行っているか詳しくご説明いただきました。また問診や診察でどのように患者と向き合ってるかや、手術などの治療法からフォローまで動画を交えながらご紹介いただきました。私達の撮影画像が患者の診断や治療において、大変重要であることを実感させられ、日々の撮影業務を見直すとともに、今後の撮影に臨む姿勢を今一度考えさせられる講演でした。
10回記念企画は、「知って、作って、使って得する撮影補助具!」というテーマで開催しました。
座長の米盛病院 森川篤志技師の進行で、初めに各施設の撮影補助具の活用紹介を行いました。南風病院の柳川絢海技師が肩関節のスカプラY撮影用の補助具、鹿児島大学病院の大園健一技師が膝蓋骨撮影用の補助具、徳久整形外科の松野下直美技師が手根管撮影用と膝蓋骨用の撮影補助具の紹介をそれぞれして頂きました。各施設とも撮影補助具を工夫して、患者にも撮影者にもやさしい撮影を実践されていました。
まず今村総合病院の岩下昌平技師が肘関節の解剖と骨折などの分類、臨床症状から推察される病態、肘関節画像の画像解剖では、小頭と滑車の見分け方などわかりやすい講義がありました。
次に、今村総合病院の馬場隆行技師が「撮影補助具に原理を理解して高精度で再現性のいい画像を撮影しよう」と題して、講義を行いました。馬場技師の作製された数ある撮影補助具の中から、今回は手根管撮影用、肘関節撮影用、術後膝関節側面撮影用、膝蓋骨軸位撮影用、頚椎斜位・側面撮影用、中足骨正面撮影用の補助具について使用方法と共に紹介して頂きました。
最後に馬場技師が講義で紹介された撮影補助具を実際に作成体験する時間が設けられました。参加者は、撮影補助具の中から自分が欲しいものを1つ選び作製しました。お互いに協力しながら、皆さん楽しんで作成されていました。
最後は鹿児島医療技術専門学校の有薗良一先生の閉会の挨拶で盛会のうちに全日程を滞りなく終了することが出来ました。
参加人数の内訳は、会員49名、非会員2名、学生5名、メーカー2名、講師1名の計57名でした。また撮影補助具作成体験は24名ご参加頂きました。
今回も東京からご参加頂いた方があり、高い評価を頂きました。当研究会はこれからも「明日から実践できる撮影技術」を提供できるよう、活動していきます。